Practice based Programming Training 『演習による問題解決学習』 演習オリエンテーションとResource Flow Diagramの書き方

概要

コンピュータのプログラミングと人力の作業は本質的には同じです。コンピュータの作業と人力の作業を構造化し、その共通点を明確にし、人手の作業を通じてプログラミングに必要な能力を育成する手法を提案します。作業の入出力に加え、作業の種類を定義します。

本提案の目的は人材育成であり、高度情報化社会において求められる問題解決能力、事業の構造化、オブジェクト指向関数型プログラミングなどを想定しています。

手法の検討にあたり、複数の料理のレシピ動画を元に、人手の作業の構造化・モデリングを行うことで検証した。

演習のポイント

複数の料理レシピ動画を視聴してもらい、この後説明するResource Flow Diagramによって異なる料理レシピを作成して頂きます。

 

一般的に料理のレシピでは材料と主な道具と手順が示されます。しかし、実際に料理を行う場合の調理台やガスレンジなどのインフラの競合について考慮されていない場合があります。また、切った素材を入れておくボウルなど、レシピに記載されない道具なども必要となる場合があります。

 人手の作業の構造化・モデリングでは下記の流れで実施します。

  1.  複数の料理レシピ動画と材料の写真から、メソッド、スキル、インフラ(道具・場所など)を抽出
  2. 異なる料理のレシピ作成を指示。(1)で視聴した料理レシピのメソッド、スキル、リソース、インフラを適宜組合せることで構成可能な料理とする
  3. インフラのコンフリクトを回避し、実行可能なフローに再構成する

 調理におけるメソッドは必要な作業、作業の順番などから構成されます。

 実際の調理では、インフラのサイズによってタスクやリソースの同時並行作業可否が左右されます。

Resource Flow Diagram

メソッドを記述するためのResource Flow Diagramを定義しました。Resource Flow Diagramではファンクションタイプ(function type),インフラの大きさ( size of infrastructure),リソース(材料)のタイプ( resource type),ファンクションにおけるタスクの大きさ( size of Local resources for task), ファンクションにおけるタスクの長さ(Time length for task),ファンクションの入出力タイプ( functionのinput type, output type)をFlowとして図示できるようになっています。

 

 

Resource Flow Diagramの書き方について説明します。

記述部品

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  • Infrastracture、Resoure(以下リソース)、Function(以下ファンクション)があり、リソースにはリソースタイプ、ファンクションにはファンクションタイプがあります。
  • 左から右へ時間が流れます。
  • Infrastracture上にリソースとファンクションを書くことができます。今回は、紙で演習を行う都合上、必要十分なサイズがありファンクションタイプは省略します。
  • リソースは材料と考えてください。リソースを記述するときは四角いボックスを使用します。
  • リソースにはリソースのタイプ、実施されるファンクションタイプを記述します。今回の演習では量は対象外とします。
  • ファンクションは作業と考えてください。ファンクションを記述するときは角が丸いボックスを使用します。
  • ファンクションには入出力があります。今回は、紙で演習を行う都合上、入出力には同じアイコンを使用します。
  • ファンクションの中には実施する作業のファンクションタイプを記述します。1つのファンクションに複数のファンクションタイプを設定可能です。作業なので1つもファンクションタイプが設定されないことはありません。
  • 今回の演習では紙で演習を行うため、タスクの大きさ、長さは無視します。リソースの大きさについては必要十分なものがあると仮定します。

記述方法

この例ではInfrastractureは3つあり、Infrastracture Aはサイズが3、BとCはサイズ1です。

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記述例

この動画をResourece Flow Diagramで記述するとこのようになります。

動画

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ピリ辛きゅうり

 材料・手順は下記の通りです。演習では材料のみ(量を省いたもの)とします。手順に何が書かれていて何が書かれていないのかを把握してください。また、このレシピサイトでは道具については項目を立てての記載がなく、手順の中にも記載されていないのに動画に出てくるものがあります。

材料(2人前)

  • きゅうり 2本
  • ①ラー油 小さじ1/2
  • ①めんつゆ  (2倍濃縮)大さじ2
  • ①白いりごま 小さじ1

手順

  1. きゅうりはヘタを取って乱切りにします。
  2. ボウルに①を入れ合わせ、1のきゅうりを入れて和えます。
  3. 器に2を盛り付けて完成です。

料理のコツ・ポイント

ラー油の量はお好みで調整してください。きゅうりは食感を楽しんで頂くため、乱切りにしておりますが、お好みの切り方でアレンジして頂いても構いません。

 

Resouce Flow Diagram記述例

記述例をPDFにしてOneDrive上に置いています。ダウンロードや全画面表示可能です。

注釈をいれたものはこちらです。